CONCRETE
意味不明な落書が書いては消されるコンクリート壁。 ピンクのスプレー缶と色付いた夏蔦
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fd d d d dd ddd dddd
脈拍を計数する規則正しい機械音
遠くで人のざわめくこえ 
あしおとは必ず段階を踏んで大きくなり、一段と高い音を迎えた後向こうへ行ってしまう

向こう、向こうとはどこだったか
俺の目指していたものもそこにあったっけか
覚えてない


……
覚えてないなぁ。

考えることは嫌いだがそれ以外に暇の潰れることがない。
利き手を持ち上げようと、もう何回も試みているがやっと中指が動く程度だ
目は覚めてるが、油断すると意識も霞がかってくる

不思議なもので、以前まで持て余していた理不尽なほど煮え滾る怒りの感情はここにはない
何もかもが腹立たしくて他人からの定義付けを悉く拒んだ。
既存のルールなど無いが如きに。
自分の見ている世界なのだから、自分好みにカットして当たり前
なぜそれを阻まれる理由があるのか

みんなのことを かんがえろ なんて、個として生き切る上で屁理屈でしかない
みんなみんな、それに気がつかない
なんてバカバカしい世界。

だが自分の理屈を辿ってみたところで同じ怒りは帰ってこなかった



(なんでだろ、俺考え方変わってねーはずなのになぁ)

(背中に力がはいんねーからか)




目元にかかった髪の毛を払うこともできずにいるため
天井の景色は金色の筋がいっぱい入っている

考えることを怠ると、徐々に意識は音の規則性に攫われていく




p p p p p p



p p p p p p p p p p p p p p p


p p p



次に気がついた時には病室の白いドアが開いていた。少し冷たい空気
初日なので勝手はわからないが、医師の巡回か?
男は横たわったまま、目だけ動かしてそちらを見た

汚れも破れも酷いままの白ワンピースの少女が、椅子に座って素足をばたつかせている
丸い目が覗き込んでくる。こちらと目が合うと、はたと足を止めた
一度止まると長い時間そうして向かい合ったままだった
物理的に自分から話しかけることができないので、相手の反応を待つのだが
少女もまた何も喋らなかった。ときどきタオルで顔や足先を拭いてくれる。
ワンピースには微かに、エンジンオイルの香りが残っていた
俺は眼球だけを限界まで動かして彼女の動きを追う


夜も更けたころ、少女は____________スガは再び椅子から立ち上がった
こちらへ外套を放り投げて俺にかぶせて そのまま帰るつもりらしい
親族でなきゃ夜じゅう立ち会うのは難しいということか、いや、親族など来ないが






「     松ちゃん、 明日も来るね   」






そう言ってワンピースの裾を翻して少女はいなくなった
もう大分、丈が短い。あれも替えてやる時期だったか




p p p p



耳の端に聞こえる機械音は、気のせいか少し緩やかになった気がする






男は翌朝呆気なく死んでいた
それだけだった。
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